ヒリゾ浜シュノーケリング未遂

ソラオト

2013年07月28日 23:40

7月の三連休中日、14日(日)。
「ヒリゾ浜」という秘境的スポットがあることは薄々知ってはいたけれど、いつでも行けるだろうと思っていたら10年くらい経っていた。
そんな折、ローカル情報満載のフリーペーパーに紹介されていたのを見て「ああ、そういえば!」と、思い出す。すっかり記憶の秘境。
そうして、ネットで下調べをしてみると秘境とはうらはらに、今や人気スポットと化し早朝から駐車場がいっぱいになるという。
ということで、前日の22時に自宅を出発。
どれだけ遠いかというと、まあ、途中買い物したりしても夜中の2時には到着。いくらなんでも早すぎる。が、それでも先客がいたので「やっぱり人気なんだねえ」と妙に安心して仮眠。
夜もしらじらと明けてきて何やら外が賑やかしい。早朝5時というのに、若者のグループやら、中年的男性やらなんやらが、ゾロリゾロリと歩いてそして海を見て「ほお」とか「やあ」とか言っていた。
なんとなく気が気ではなくなってきた私は、目を覚ますことにしていそいそと身支度を整える。
受付時間は8時からなのだけれど、7時前にはこんなことに。



途中で気がついたのだけれど、どうやら皆、乗船場まで荷物を置いて順番取りしているもよう。
皆に倣って我が家も慌てておいてみる。
ちなみにこの日も、カメラは持ってきたのにSDカードを忘れている。

もう、この頃には駐車場もいっぱいになってきて人もたくさん。
どういう流れか、日本語ではないアジア某国の若者グループも多く、そして懸念していたマナーについて、トイレ待ちの際に知らしむことになる。
そんな折、7時半前から受付に並んでいた夫が戻ってきて「今日は最低レベルの透明度で全くもって期待ができない、そしておすすめできない状況」と、非常に悲しいアナウンス。
「でももしかしたら、そうは言ってもね、ほら、少しくらい。」と、無理にでも明るい気持ちに持ち上げてそして何事もなく乗船スタート。

船は何隻も出ているのでわりとスムーズに列は進む。
そして列に並んでいる時から、わいのわいの騒ぐ私と長男と夫のそばで無口になっていた次男は、生まれて初めての船に緊張していた。彼は船が大好きで、幼稚園のマークも船にしていた。

いよいよ乗船。




釣り船とか漁船とかよくわからないけれど、そんなような船に乗って。




ワクワクな長男にひきかえ、




緊張している次男。

そしてこのあと、次男の不安的中。
船が動き出すとあれよあれよと、スピードが出て波しぶきをあげながらザバンザバンと激しく進み、縦揺れで心臓がふわりと浮くような感覚に。そして飛沫も顔にかかり、まさかのスプラッシュマウンテン。
四歳児にとってかなり刺激が強く、次男の足は小刻みに震えているほど。
これは、いいのか?いいのだろうか?幼児も、そしてご老人も?乗車時に身長制限や妊婦さん等の断り事項もなかったけれど、ほんとうにいいのか?
身長制限もひっかからないし妊婦でもない私でさえもちょっと怯えた。

そんな思いをして到着したヒリゾ浜。





秘境でもなんでもなかった。


さらに。写真はないのだけれど、次から次へとこの小さな浜へ船で運ばれてくる人々によって、もはや芋洗状態の浜。
大きな石がゴロゴロとしている浜はただでさえ歩きづらいというのに、人々のテントが張られそして動くことも困難な状態に。
さらに、ようやく海にたどりついても波が高くそして濁っていた。透明度最低レベルは間違っていなかった。
しばらくそこで、ぼんやりと途方に暮れていたのち、「こうしていても仕方ないから帰ろう」と号令を発する母の言葉に、次男が「またあの船にのるの?」と、どうしようもない悲しい現実が重なり、家族の気持ちを重くした。
しかも。帰るにしても、船を降りた場所で乗船しなければならないのに、ルートはひとつ。片道一車線。
降りてくる人々を行き渡してからじゃないとすれ違えないほどのルートで、待てど暮らせど一向に帰路の人々は進めないシステム。
最初のうちは、お行儀よく待っていたのだけれど次第にイライラしてきて、「もう待てませんよ」と、到着した人々がズンズン降りてくる中、最後の数人を迎えるところでフライングスタート。
先頭は我が家だったのだけれど、その後ろにやはり同じく「もう帰ります」のグループがどんどん連なってきていたのでタイミングを逃していると「なんてのんきな家族なんだ。これじゃいつになっても帰れないぜ。こんちくしょう。」なんて、怒りの矛先を向けられる羽目になってしまう。
さらに、わりと血の気の多い私が「ちょっとちょっと、順番守りなさいよ」なんてことになったら、一大事。

そんなこんなで、なんとか無事復路の船に乗って、ふたたびザブンザブンと大きく揺られて「ひゃあ」とか叫びながら陸地に運ばれる。
やはり次男は震えていた。怖い思いをさせてごめんね、と思う横で長男が「めっちゃ楽しい~。ひゃっほ~~。」とバカみたいに浮かれていた。


港から歩いて10分程度のところにある隣のトガイ浜へ行くことに。




こちらは、波も穏やかでヒリゾほどではないけれど、そこそこの透明度なんだそう。
とはいえ、ヒリゾが透明度最低なのでこちらも今日はいまいち。




でも、まあ。せっかくここまで来たのだから、と普通に海水浴を楽しむことに。




石浜だったので、カニがたくさん。
子供たち、こういう磯遊びが好きなのでとりあえず楽しめてよかった。





時間の経過とともに、すこーしだけ海水の透明度が上がって、ちょっとだけ熱帯魚も見れたもよう。
お昼少しまわったところで、軽く昼食をとって撤収。

碧い海でのシュノーケル体験を長男にさせてあげたくて、かなりテンション上げてきただけにとても残念だったけれどまたいつかリベンジしようと誓いも新たに中木を後に。

秘境の地も、もはや大人気スポットでまったく秘境ではなかった。

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