グルキャン少々、の巻

ソラオト

2014年03月23日 23:59

それは、暦でいうところの「ひな祭り」、つまり女の子のお節句の日である3月3日の夕暮れ時のこと。

仕事帰りにふと目にしたメールのタイトル。
「突然ですが…」

大人サイト系の香りがする怪しげなタイトルに、一瞬メールを開くのを躊躇したのだけれど、そのメールの配信先はナチュラム。
おそるおそる開いてみると、「一緒にキャンプしませんか」というお誘いのメール。おおお。一気にテンションMAXです。
そんなトラップ的なタイトルでお誘いくださったのは、お気に入りブロガーであるコショウさん。

コショウさんは、女子的ひらひら感はあまり無いブログからのイメージ。
が、しかし野暮ったいのとはまた違う、なんていうか飾り気のない大人女子というか。
そして、チョイスされるキャンプギアとか、感性になんとなく通ずるものがあると勝手にイメージしていた方です。

そんなコショウ一家と初のグルキャンは、当初から我が家が出撃予定だったPICA富士吉田への合流パターンで決定。
我が家は、HAPPY FRYDAY利用で一足先に金曜の夜にチェックイン。
金曜日。私は休日出勤の振り替え休日を取っていたので、朝からキャンプの準備を。
そして夫はどうしても仕事を休めず、仕事終わりでそのままキャンプ場へ。

到着したのはPM8時ごろ。
すっかり日も暮れているけれど、雪もちらついて、指定された区画の区切りも何もわかったもんじゃない。
しかも雪と泥でスタックしそうになったり、到着早々夫婦の間に嫌~な空気が漂いはじめてくるわけです。

最終的には電源の位置から適当に場所を割り出し、適当にテントを設営。そんなとき、夫から衝撃的な一言が。
「ホットカーペット持って来た?」

「え・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
沈黙が語る妻の不機嫌バロメーターで、夫はホットカーペットを忘れた事実を身を持って受け止めるほかありません。
このとき私の不機嫌要素となったのは、夫が「ホットカーペット忘れた!」と自らの失敗を告白するのでなく、「持って来た?」と妻とその責任を分かち合おうをしている言葉のチョイスが70%を占め、残りの30%はホットカーペットのない寝床に2泊というがっかり感。救いだったのはセラミックファンヒーターと湯たんぽは忘れていなかったこと。

そしてその晩は、なんとか就寝。


2014.3.14(fri)-16(sun)
PICA富士吉田




翌朝。
寒さで熟睡はできず。
昨夜は雪が降り続いていた模様。



でも、まあ快晴。
ようやくPICA富士吉田の雰囲気を実感。
いやあ、素敵。
なんて気持ちの良い冬の朝。昨晩の出来事もすっかり忘れて良い気分。
そして今日はコショウさんと対面の日なので、朝からお風呂へ行こうと決めていた私。
8時からお風呂の利用が可能というので、一番風呂を、そしてあわよくば貸切状態を願いお風呂へ向かうと。




誰もいない!(ので、スマホのカメラで撮影させていただいた次第)
2組以上重なると厳しい広さだけれど、私一人で貸切となるととても気持ちがいい。
大きな窓のせいか、PICA西湖より開放感あるし、脱衣所も使いやすく、強いて言うならお風呂場に入るドアの手をかける部分のカビがとても気になったくらい。(←強いて言うわりに毒強し)
すっかり体も温まり、そしてきれいさっぱりになったところでサイトへ戻ると、子供たちも起きて「お腹すいた」と騒がしいので朝ごはんの支度にとりかかるとします。

お風呂へ行く前に、早朝のキンと冷えた水で研いでおいたのでそれをツーバーナーで炊飯。
その間、あたふたとスクリーンタープを設営している夫をときどき手伝いつつ、今朝のメニューである「納豆&しらす&温玉に韓国のりと青ねぎかけごはん」の準備をすすめていたそのとき。
ガシャーーンと派手派手しい音の方向を見ると、ツーバーナーに足をひっかけた夫の足元に見事にひっくり返ったご飯の鍋。
妻の不機嫌バロメーターは昨晩の比どころではありません。
「もう、信じらんないっ!!」そういう妻の形相は鬼そのものだったはず。頭からは殺気立った湯気がシューシューと吹き出ていたはず。
「ご飯が無ければ朝ごはんは無いよっ」
そして何より、そんなプンプンする妻をもっと不機嫌にさせたのは、「あとでコンビニ行ってごはん買ってくるよ」という夫の一言。
口にこそ出しはしないものの、「そういう問題じゃないっ!まずは詫びろ!!」と腹の中では怒りで煮えくり返っているのをぐっとこらえて沈黙。
こういうときは沈黙に限る。


そんなこんなで朝から騒々しいソラオト家がようやく落ち着きを取り戻し、優雅なティータイムを堪能できたのがこの時間。



コショウ一家がスロースターター家族で本当によかった。
ばたばたとあわただしい雰囲気の中でのお出迎えは避けねば。にこやかに、そして優雅にお出迎え、それが私に課された使命だと勝手に決めている。
が、コショウ一家が到着したとき私はテントの中でバタバタと片づけをしていて、外でイスに腰掛けてのんびり過ごしていた夫がにこやかにコショウ一家を出迎えたのだった。

夫に「今度会う人はどんな人?」と聞かれ、「コショウさんという人。年齢は不詳。」と答えていたのだけれど、実際に会った彼女は思っていたよりヤング。どうしてもお会いしたことのない方のイメージというのは、まず年齢をだいたい想像する。そしてそれは、だいたい自分の年齢をベースにするので、よほどのことが無い限り自分と同じくらいだと決めている。みんな同じくらいの歳でいいじゃないか、そうだそうだ。
と思っているとたいがいギャフンとする。
そして今回もまた。
しかも、なんかナチュラルな違和感。
なんだ、このまぶしい違和感は、と思っていたら、のちにコショウさんから「私、キャンプではノーメークなんです。化粧する時間とか落とす時間が面倒だから。」と、衝撃の真実を知らされます。
だからか。
たいがいのことには「うんうん、そうだよね~。わかるわかる」と同調スキルの高さを披露できる私も、このときばかりは、「そうか・・・」と言葉を詰まらせ、そして羨望のまなざしをむけ、「その『化粧をしなくてもいい』がどこかのドラッグストアで売っていたらいいのに」と本気で考えていたわけで。

そしてコショウ夫妻が設営に取り掛かっている間、黄色い妖精をお預かりします。



コショウ家も男の子二人。お兄ちゃんはシャイでうちの長男と非常に似たタイプ。そして次男くんは、人懐こく何かと笑いを提供してくれてかわいい存在。兄弟のタイプもうちと似ていてたいへんな親近感。
さらにいうと、ダンナさまも知的な雰囲気漂いつつとても柔和な物腰でやさしい方。
一家のテンションに、これまた親近感を覚えたり。

それにしても、この、とっ散らかった空間は急遽お座敷スタイルを設定したためやっつけ感満載。
なんせ、初のグルキャン人選に宴会幕となるテントなど持たない我が家を選んでしまったコショウ家に、少しでも楽しい思い出をと考えた末に、近くでキャンプをされていたご夫婦のスクリーンタープ内が「とても快適そうなお座敷スタイル」だったのを真似てみた苦肉の策。
ゆえに、ブルーシートとかブルーシートとかブルーシートをかき集め、そして普段は日の目を浴びさせないテント内に敷き詰める適当に買った起毛マットを敷いて、なんとか集合ができる空間を作ってみた次第。

ごっちゃりとしているけれどまあ、こういう無秩序な空間というのは案外落ち着くものなのだ。
そういうふうに考えるしかない。

そうこうしているうちに、コショウ夫妻はあっというまにテントを設営。
そして「ソラオトさん、お茶でもどうですか?」とお茶に誘ってくださいます。
そこで手土産を持参してお茶菓子を出してくれるコショウさん。
見た目はヤングなのに落ち着いているし、そして礼儀のあるきちんと女子。
なのに、私ときたら・・・手ぶらに自分用のノンアルカクテル持参のみ。落ち着きを通り越して無礼女子。すみません。
しかも、さらりと設営したそのお茶飲み会場が、なんかいい。



必要なものが必要なときにすぐ手に届き、作業のしやすい動線と無駄な動きをしなくても良い配置。
「私もあーいうのがほしい」と、DOPPELGANGERのキッチンテーブルを夫にアピールしてみるも、「ああ、いいねえ」と非常に感情の無い返事で片付けられたわけで。
夫ときたら、主婦のストレスをわかってない。



もちろん、ノルディスクのテントもくまなく見せていただく。
こういう使い勝手のテントが、ソラオト夫婦はほしい。
寝床もリビングも兼ねられるテントがほしい。

そして、夕暮れ。
今回はそれぞれに夕食とします。(なぜなら宴会幕がないから)
手土産を持参し忘れるという失態をなんとか取り戻すべく、我が家の18番「富士宮やきそば」をコショウ一家に差し入れるも、その後そのお皿にはコショウ家の焼き手羽が載せられて「どうぞ~」と差し入れ返し。
鶏肉好きのソラオト家、写真を撮るまもなく。



そんな我が家の夕食は、富士宮焼きそばと、五目ご飯、白菜とベーコンのミルクコンソメスープ、朝霧ヨーグル豚の炭焼き自家製バジルソースを添えて~
もっとも人気があった「五目ごはん」は、特に長男が「うまいうまい!!」と何度もおかわりをして、そして「これはどうやって作ったの?」と興味津々。お料理好きな母は優しいまなざしで「それは、お米に混ぜるだけのレトルトのやつよ。」と、丸美屋ありきだと教えます。それ以外は、母の手作りなのに、ご好評いただいたその品目だけは母の腕は関係ない事実を。

食後は、速やかに食卓を片付け、コショウ家との夜の語らいの準備を。


が、実はこのときすでにブルーシートすらも手に負えずついには起毛マットにまで泥水が染み始めてきている状態。
今回我が家が利用したBサイトのNo9とコショウ家が利用したNo10は、特にぬかるみが酷くコショウさんちの次男くんに至っては何度転んで泥だらけになったことだろう。

しかも我が家にある暖房器具はセラミックファンヒーターのみ、という心許ない冬装備。(足りないブルーシートの代わりにコショウ家のレジャーシートと、足りない暖房器具の代わりにストーブも持参していただくという)
こんなソラオト家を選んでしまったコショウさんに申し訳なく。
ただ、ここをグルキャンのスタートとすると非常に低いところからのスタートになるので、今後のグルキャンのクオリティの高さにびっくりたまげるでしょう。
ある意味貢献。
そして、コショウ一家と静かで穏やかで楽しい語らいの時間が過ぎていき、こどもたちに睡魔が襲ってきたころあいでお開きに。


3日目朝。
気がつけば8時。まあ、よく眠った。
あわてて身支度を整え、朝ごはん。



コショウ家がレイトチェックアウト的な有料サービスを利用するとのことだったので、我が家もそれに倣います。
なぜなら、撤収の遅さに自信があるから。

それにしても、撤収中もまた地面がひどくぬかるんでこの有様。



こんな状態でお座敷仕様ってどうなのかしらね・・・。



我が家ものんびり撤収だけれども、ふとコショウさんを見やると、時折チェアでくつろいでぼんやり宙を眺めているようないないような。
あきらかに小休止。
もしくは、あまりに遅い我が家の撤収スピードにあわせるための時間調整か?
いやいや、あれは普通にくつろいでいたはず。
そう思うことにして、我が家も昼ごはんを食べたりしながら撤収を進め、結果的に撤収完了した時間・・・

時間は・・・
あれ?何時だっけな?と、リビングで焼酎のお湯割を飲んでいる夫に尋ねると
「はて?」と言ってぽかーんとしている。
もはやそれすらもすっかり忘れてしまっている中年夫婦。
「確か、14時くらい?」「そうそう、そんな感じ」ということで、14時くらいに撤収を完了し、そしてコショウ家とお別れです。

最後に、コショウさんから「グルキャンて、こんな感じで合ってました?」と。
思わず笑ってしまったけれど、むしろ私のほうが「これでよかったか?」と心配に。
そういや、グルキャンといえば数々のお料理が並び美味しそうな風景が必須。
宴会幕なかったから、まあそれはそれで仕方ないか。
ということで、また近日の計画を立てて寄り合うことに。
次回は、もうオープンタープの下でOKでしょう。
我が家にもようやく例のタープ届いたことだし。

そんなタープのことはまた今度。


コショウさんのレポはこちらからどうぞ~
『コショウ少々*




コショウさんからいただいたお土産は家に帰ってからあっというまに消化(笑)


*::追記::*

楽しみにしていたツリーハウスは、雪の影響で立ち入り禁止。

また今度リベンジしよう。


そして、ここはバンガローやキャビン、パオがとても充実。


テント泊に抵抗のある友人や、年老いた親と一緒のときはこちらを利用するのもいいかな。





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