あんまりにすることがなかったので、カップ麺での昼食をとったのち、場内散策へ。
炊事場をスルーしようとしたときだった。
次男が
「あ、けんちゃんだ!」
と指差す方向に。
けんちゃん。
それは紛れもなく夫のことだった。
「パパ」ではなく、けんちゃんと言った次男の心理。わからなくもない。
きっと、パパに似ているそれを伝えたい反面、それが自分の父親とリンクすることを本能で拒否したのだろう。
私だって、こんなのが夫だなんて嫌だけれど、どうにも似ている。愉快に笑っているのは母子3人。
当の本人は苦笑いしながらその場を去る。
散策は続く。
前回訪れたときにはあった、雪遊び広場というか、雪の滑り台は無くなっていた。
そして、前回訪れたときには無かったcafe風な建物があった。
こんなサービスがあるのなら、朝食の準備なんていらないねー。と、夫に同意を求めるも、たいして快い返答はなし。
女子と男子の温度差。
仕方ないので、建物のかわいいっぷりをひとりで堪能する。
いちいちのかわいさ。
建物の隣にはこんな菜園があるらしい。
雪が無いときの風景を想像してみるしかないけど、たぶんかわいらしいに違いない。
そんなふうに、母が女子モード全開で写真を撮っている頃、長男は何をどうしてそうなったのかわからないけれども、ブーツの中が雪まみれになってびしょびしょに濡れ、その気持ち悪さに悶絶していた。
「早くテントに戻ろう」という長男の意見と、「もっと歩きたい」という次男の意見が分かれるも、多数決で散策続行。
小6にもなって注意力がないと、こういう制裁がくだる。
「ううう、足が気持ち悪いーー、冷たいーーー」という長男をよそに、軽快に歩く他3名。
さらには。
先だって、家のウッドデッキ(2階建て)の腐敗により落下事故の犠牲となった長男は、「木製の板状の床を歩くのが怖い」というトラウマから抜け出せずにいたのに、次男の希望によりツリーハウスを歩くツアーに参加させられる。
ツアー参加者、ソラオト一家4名のみ。(※このツアーは公式ではありませんので、各自勝手に歩いてください)
長男も怖かったかもしれないけれど、雪が積もって足元がおぼつかない状況を母も恐る恐る。
ヒーヒー言う長男をよそに、次男はたいへんごきげん。
その後、予約しておいたトリントリンという名のトランポリンを愉しむ。
(ガチャガチャな次男の服コーデは気にしないでください)
そして、先程までテンションダウンだった兄も、はにかみつつノリノリ。
これ、ただポワンポワンと跳ねているだけなんだけれど、体重差のある兄弟の場合、弟のほうが自分の意識とは関係なくポワンポワンと飛ばされる様がたいへんシュール。
見ているほうも大笑い。
30分をぞんぶんに堪能。
サイトに戻ってきてからも、次男はずっと雪遊び。
どうやら冷蔵庫を作っているらしい。
天然冷蔵庫、雪中キャンプの醍醐味。
兄弟合作の雪だるまは、体の方にエネルギーを注ぎすぎて、頭を作る頃にはどうでもよくなってきたのか、ベイマックス風。
そんなこんなで、日も暮れてきて夕飯の支度。
今回は、雪中キャンプということで、日が暮れたらトイレ以外はできるだけ外に出ない作戦。
材料はすべて家で切って、あとはフライパンで調理するだけ~のすきやき。
ほんとうは、はるパパさんちとご一緒の予定だったのでメニューを考える段階で「お金で解決しよう」と、高級牛肉を用意。
おもいがけず、ただの贅沢を楽しむゆうべ。
牛肉を引き立たせるため、他の材料はもやしとネギのみ。
見た目、なんだかジンギスカンなのは気のせい。
牛肉に全力投球したため、すきやきの他にはシメのうどんと、鴨肉のパストラミマリネ(肉屋の惣菜)のみ。
それでも、わりとお腹いっぱいになり、そして自然とトイレにも行きたくなるわけで、渋々外に。
せっかく外に出るからには写真でも、と思って撮影するもこれ。
寒さで手がかじかんで、さらに技術もなく根性もなく、三脚もなく。
この日、我が家以外にも何組かのキャンパーさんがいらして、ほどよい感じの距離で灯りが見えました。
我が家のスクリーンタープ、これが見納めかも。
3月には新たにシェルターがやってくるはずなので、こちらはもう使わないだろうということで、オークションに出す案が浮上。
なんとなく寂しいような気もするけれど、置く場所もなくなるので仕方なし。
空を見上げると、こぼれんばかりの星空。
腕も技術も三脚もないけれど、なんとか星。
テントの中では、長男がDVD鑑賞。次男は夕飯も食べずに夢の中。
スクリーンタープの中に入れておいたストーブのおかげでなんとか寒さに凍えることもなく過ごすことができたのだけれど、昼間の暖かさもあって、夕方には地面の雪が溶けてぬかるんできたので、一度だけ外の雪を中に入れて地面を雪で固めた次第。
あと、スクリーンタープのスカートも、雪をかぶせて風に舞わないようある程度封鎖。
少しだけ通気口程度の通り道を確保したので、常夏気温とまではいかなかったけれど、それなりに快適に過ごせました。
21時頃には寝床のテント、ラーゲルレーブに移動して就寝。
電源サイトなので、こちらにはセラミックファンヒータを設置。
ラーゲルのインナーには、どうにもできないメッシュの窓がついていて、ここから外気が入ってくるのでは・・・と不安でたまらかったのだけれど、実際、風がはいってくることもなく寒い思いをすることもなく。
翌朝。
一番に目覚めてしまった私がまずしたことは、暖をとること。
温かいコーヒーでも飲もうと、ガスバーナーに火をつけようとするも、カチカチという音だけが悲しく響きわたりちっとも点火しない。
しかたないので、焚き火をしようと薪に火をつけるも、これまたつかない。
SOTOのガストーチも、チャッカマンも全然だめ。
普段、焚き火にはノータッチのため、着火剤がどこにあるかもわからない。
なかなか火がつかないことに業を煮やした私は、焚き火に灯油をぶっかけたスーパースター伝説を思い出す。
が、私も一応女子なので、キッチンペーパーにオリーブオイル湿らせたのに火をつけ、さらにそこへオリーブオイルをまわしかける方式を採択。
こうして無事に点火。
火をつけるのに苦労する。これぞ、アウトドア!
と、ポジティブシンキングでコーヒーをすする。
しかし、これでも火がつかなかったら、やさぐれてテントに戻ってふて寝の儀。
そしてのちに、もぞもぞ起きてきた夫に、もれなく八つ当たり必至。
こうして、無事に八つ当たりされることもなく平和な時間を約束された夫と、トイレに行きたい次男が起きてきて、朝食の支度。
(長男は、このあと朝食が過ぎてもなおテントの中でうだうだ)
パンは、ストーブのほうがいい感じにトーストできる。
そんなパンに、クーラーボックスの中でサクサクに凍っていたカット野菜(自宅から持参)と、焼いたベーコンを挟んで大雑把サンドのできあがり。
と、インスタントのスープに、しゃぶしゃぶ用のお餅を入れたもの。
ひととおりの食事が済んだら、撤収の準備。
我が家のような不慣れなキャンパーは、冬のキャンプは特に荷物が多い。
チェックアウトの12時ギリギリに撤収完了。
1泊ではもったいないくらい心地よい時間となりました。
来年は、シュラフなどの装備を強化してもっとスマートな雪中キャンプを楽しめたらいい。
おしまい
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