さて。「3月並みの気候」なはずなのに、どういうわけか曇って寒い。
キャンプ場に着くまでに少しだけ雲の切れ間に青空を見つけ、希望を抱いたのもつかのま、やはり曇ったままで到着。
この日の利用は、我が家以外にもう1組という。
前回は満サイトになると難民キャンプになるこのキャンプ場で、がっつり難民体験をしていた我が家。
今回はゆったり過ごせるね~。ま、さすがに誰もいないってのも辛いけど。などと夫と話ながら設営完了。
昼食はレトルト白飯にレトルトカレー。
空腹を満たしたところで、さて、やることがなくなった。
寒くてハンモックはあきらめたので、次男と一緒に散策へ出かけることに。
ここは、キャンプ場でもあり、森林公園。散策推奨。
夏になると子供達で賑わう川も、この時期は閑散としてわびしい感じ。
落ちてびしょ濡れになったら洒落にならないので、小さな次男の手をしっかり握り川沿いを歩く。
こういうとき、次男はやさしい。小さいながらも、私を引っ張るようなかたちで先に歩き、そして1歩進むごとに後ろを振り返って私の足元を注意してくれる。たぶん、次男にとってはちょっとした冒険になっているのかもしれないなあ、と思いながらなんともほんわかした気持ちで歩く母なのだった。
吊り橋その1を渡る。ちょっとだけ揺れるような感覚はあるけれど、ちっとも怖くないので走っても平気。
吊り橋から川を望む。「さっき、あそこにさかなのこどもたちがいたね~」などと余裕余裕。
吊り橋を渡った先は、しんとして凛としている。竹林公苑だそう。
THE侘寂。
この先どのくらいこの散策路が続くのかを確認して。闇雲に歩くと疲れるからね。
ジャパニーズテイストな雰囲気の竹林を歩いていると、次男が突然「くさいくさい。う○こくさい!」と騒ぎ始めた。
あらためて嗅覚を集中させると確かに。なんていうか、その、堆肥のようなようするに、う○んこ臭かった。
侘寂もあったもんじゃない。
足早にその場を過ぎ、竹林を抜けると川向こうに管理棟が。
管理等に架かるしっかりとした橋は渡らず、さらに進むとボードウォーク。
何があるわけでもないけれど、なぜか歩くだけでワクワク。それがボードウォーク。
このあたりは本当にのどかな景色。
向こうに見えるティピーは、中に入れるわけでもなく覗けるわけでもなく。ただ景観の一部。
そんなのどかな気分で歩いていると「滝」への道標。
ここまでくると、気分はすっかり探検家だった母子はなんの迷いもなく滝へ向かいます。
滝があるってことは土も空気もどことなく湿った感。
苔むした足元に注意しながら奥へ進むと。
あ、これ、滝からの復路から撮影した写真。
この下のほうから階段を上がって滝へ向かうわけですが、進み行くとますます空気がどんより的。
ちょっと怖くなってきたので途中で引き返すことに。
若干小走り気味だったのは言うまでもなく。
そして、木製遊具があるところで滑り台をしようと思ったら、木は朽ちて足元は滑りやすいし、滑り台で滑った先は水溜りという残念なものだった。
それでも歩きます。
小川の流れを見たり。
ビオトープ的なところで丸太を渡ったり。
そして、散策の最後はワイヤーの吊り橋。
これはけっこう揺れるし、途中穴があいていたりしてなかなかスリリング。
そうして散策終了。サイトへ戻ります。
ちょっとだけ施設紹介。3回目の訪問にしてやっと。
AサイトとBサイトと分かれていて、Aサイトはトイレや炊事棟のあるメインサイト。
そこから川の向こうにあるBサイトには橋を渡っていくので、少しトイレや炊事棟からは離れて不便だけれど、しっとりとした雰囲気。
今回はA12を利用。過去2回はA1、2を利用あり。
トイレは、公園のトイレ並ですが、女性トイレには和が3つと洋が1つ。温便座ではありません。
この時期は利用者が少ないのでとっても清潔。
今まで、利用者の多い時期だったからちょっと微妙だったけれど、本来は清潔で使いやすいトイレだったのね!
炊事場も利用者が少ないとほんときれい。
なんやかんやと過ごしているうちに時刻は16時すぎ。
この時点で7℃
日が暮れる前に夕飯の準備をして、なるべく早くねる作戦。
と、ここで、夕飯の支度を始めたら、もう1組の方たちが撤収。
まさかの、ポツンサイト。
ポツンサイトは、以前に早川キャンプ場で経験したことがあるけれど、あの時の寂しさといったら。
それでもまだあの時は、管理人さんが常駐してくれていたからいいけれど、今回はこんな山奥の公園にポツン。
寂しい通り越して、怖いったら。
ちょうど、散策後に疲れて寝てしまった次男にはこの事実をできるだけあとで伝えよう。
さもなければ、きっと、「帰りたい」っていうに違いない。
そう考えながら本日のメニューは、豚しゃぶ風雑煮。
ところが、私ときたら、雑煮のベースとなる出汁を忘れてしまったのだ。
せめてコンソメでもいいから・・・と思ったけど、こんな時に限って、荷物の軽量化を謳って、いつも持参する調味料セットをおいてきてしまったので余分な持ち合わせもない。かろうじて醤油と砂糖がある。
仕方ない、水+醤油+砂糖だけでなんとか。と思って、ふと気付く。
一口大に切った鶏もも肉!!
これで鶏肉の出汁を期待しよう!ヤッタ~と意気揚々と鶏肉をクーラーボックスから取り出したそのとき。
ラップに包まっていた鶏肉がボトリと落下。ひゃぁ~~っ、たっいへ~ん!と思う気持ちとはうらはらに足は前に踏み出して、そして踏み潰す。靴で。
見事に上下からの汚れサンドイッチとなった鶏肉。
砂利サイトだったので、鶏肉には細かい石がびっしり。気持ち悪いったらない。
唯一の救いは、私の踏み具合が最小限に抑えたのでひどく汚れていなかったこと。
・・・いや、この際、落ちて踏まれたという事実がもうダメなんだろうけれど、出汁。
出汁のためにお湯の出ない炊事場で手の感覚がなくなるまで洗い続け、そして熱湯消毒と題してぐつぐつと煮る。
この時点で70%ぐらいの出汁は失ったように思えるけれど、30%の出汁にかける私の意気込みたるや。
さらに、イベリコ豚で出汁。
案外、美味い。30%の鶏肉の出汁のおかげ!
他は、山芋としいたけと、イカを焼く。
イカは、夫が会社で「今イカ釣りにはまっている後輩」に「キャンプでイカ焼いて食べたい」とつぶやいたことによって、なんと、木曜日の夜中1時に釣ってきてくれたというイカ。
まるごと焼いて豪快に食いちぎって、と夫に伝えると、彼は少しばかりの切れ目をたよりにイカにがぶりとかぶりついたのち、本当に豪快に食いちぎったのだけれど、そのはずみでイカの中の水分的なものが「びしゃ~ん」と飛び出し、そしてテーブルの上でそれらが飛び散った。
妻は責めない。
が、ひとこと。「これが長男のやったことだったら大変な騒ぎで叱られていたね」と静かに言うと、、夫は「へへ」と笑ってごまかした。
それにしても、焼きイカはキンと冷えたビールによく合う。
1月。寒空の下、オープンタープでビール片手にイカを食べる。暖房なし。
そんな環境だったことに気付いた途端、なんだか急に寒くなり、カマンベールチーズを焼いたのをつまみに温かい飲み物へチェンジ。
「名前につられて買っちゃった」
と、夫が取り出したのは、夜空のむこう。
「いやぁ。気持ち悪い。」とたしなめる妻。
そんな妻は、トリスの紅茶味。
注いだお湯が熱すぎて、アルコール臭なのか紅茶味なのかなんなのか。美味しく味わえなかったことだけは確か。
時刻は20時前。
これ以上、外にいたらきっと風邪を引くので早々に寝る準備。
それにしても、誰もいないキャンプ場のトイレは怖いもんだ。
そんなときに限って外でご飯、なのでトイレに行く回数もやけに多く、「体中の水分が全て抜けちゃうんじゃないか?」と思うほどトイレに行って、そして歯磨きをして就寝。
午後20時25分。
健全すぎる。
寝袋に入ってすぐは、若干の寒さに「この調子でいったら朝が心配」というレベルだったのですぐさま湯たんぽを投入。
無事入眠。
参考記録:
スナグパックの8000円弱程度のシュラフ(次男はスノーピークのシュラフ)に、フリースシュラフをイン。
その上に、コールマンのお布団型(筒型)シュラフを広げて、さらにフリースの大きなブランケット(4人分までいける)を掛けて寝ました。
下は、銀マット2枚重ね、綿キルトのラグマット、インフレータブルマット。
朝までぐっすり。
と言いたいところだけれど、夜中に強い雨の音と強風で目を覚ますことに。
久々に防風雨。雨はだいぶ慣れたけれど、風はやっぱり怖くて。
テントも横に揺れるし、耳を澄ましているとなんだか足音のようにも聞こえてくるし。
熊だったらどうしよう。いや今は冬眠しているから大丈夫。
まてよ、野犬だったらどうしよう。しかも複数の。
そしたら、湯たんぽの巾着の遠心力を使って叩きのめそう。子供だけはなんとしても守らなきゃ。
などと考えていたら小一時間ほど目も頭も冴えて眠れず。
雨の音が弱まってきたところでようやくウトウトして、そして朝。
朝もやが幻想的で、そして昨夜の不安が嘘のように清々しい。
なにこれ。貸切って素敵。
だんだん青空まで見えてきて。
他に誰もいない朝のキャンプ場って爽やか。
8時半の時点でこの気温。
朝起きた時は4℃(7時くらい)で、暖かくて次男は明け方に上着を一枚脱いだほど。
たぶん、大雨で湿度があがったせいかな。湿度は計測不能。
朝ごはん。
チェックアウトは10時なのだけれど、次の予約がはいっていなければ延長も無料で可能。
もちろん、次の予約など入っているわけもなく。
ただ、のんべんだらりと過ごして、11時すぎになってぼちぼちと撤収開始。
あいかわらず、のんびりな撤収をするソラオト家。12時過ぎに完了。
しかも、1泊3人分でこの荷物。なんとかならないものか。
オートキャンプ場ではないので、サイト脇の道路に車を持ってきて積み込んで、そしてお疲れ様。
夜は怖くて不安だったけれど、朝の貸切の開放感というか爽快感というか、とにかく夫婦して「これはいい。満足度大!」と絶賛。
でもまあ、できればもう1組くらいいるのが好ましいよね、ってことにもなっておわり。
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